It's gotta be the shoes.

スニーカー文化論を読んだ。

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ぼくの7億ある持論の内のひとつに「スニーカーマニアは制服校出身」というものがあります。

ぼく自身小、中、高、と制服校だったのですが、制服社会において、スニーカーは他人と差別化を図る重要なファクターでした。

制服という画一的なものを着ている以上、服装で自分の色を出すことはできない、でも靴だけは違う。

華美なものでないように、とか校則の縛りはあるものの、ある程度自由に個性を発揮できる。

生徒同士、それは共通の見解だったようで、お互いに個性の結晶であるスニーカーを見比べることでセンスを競い合ってたような、そんな思い出があります。 

といってもぼくの地元はクソ田舎だったのでABCマートくらいしかスニーカーの量販店がなく、履いてるスニーカーがバッティングすることも非常に多かったのですが。

クラスに10人はいたオールスターの話はするな。

そしてそのスニーカーイコール個性の結晶、という定式化からオトナになっても脱することができず、「オシャレスニーカーさえ履いてればオシャレだべw」みたいなノリでスニーカーを神格化してるひとも少なからずいて、そんなひとたちがスニーカーマニアという集団を形成してたりしてなかったり。

で。

スニーカー文化論、スニーカーカルチャーの入門書として非常に面白い本でした。

スニーカーの歴史について特集する雑誌や本は多いけれど、たとえば「カートコバーンが履いていたのはジャックパーセル!」「ビートルズがアビィロードを歩いたのはスプリングコート!」「スニーカー大衆化の起爆剤になったのはジェームスディーン!」とか情報を断片的に取り上げはするものの、誌面の都合なのか、歴史全体を俯瞰して論じる書籍って意外に少なくて、だからこそこの本は、スニーカー文化についてざっくり知りたいなあという思いにジャストミートします。

スニーカー文化論。

ってタイトルもメッチャ清々しくて好感もてる。

おいライトノベル業界、お前らも見習え。

スポーツ、映画、グラフィック、音楽。

様々なカルチャーとスニーカーとの関係を、時折筆者の専攻である社会学のフィルターを通しながら解説していく。

ただ四章以降はSNSがどーのこーのとか、社会学について筆が滑り過ぎているので、スニーカー文化隆盛の流れをざっくり知りたいという方は、三章までで十二分じゃないでしょうか。

おわり。